再開した2020年のUCIレースとドーフィネ前の見通し

ストラーデビアンケハイライト

コロナの影響で中断されていたUCI自転車ロードレース大会ですが、7月半ばからUCIレースが再開しました。

ヨーロッパ地域でのコロナ感染拡大で延期が決まった当初は今年はもうロードレースが観れないのかと半ば絶望していましたが、何事もなければグランツールもこのまま開催されるようで非常に楽しみです。

そして、かなり変則的なスケジュールを強いられることで選手達は調整が不十分なままシーズンを迎えることになるというのは言われていますが、2020年シーズンはそれ故に観る方としては予想が難しいという意味で楽しみにしている面があります。

UCIレース再開とここまでの所感

コロナの影響で中断されていたUCIレースがポーランドのドーコワ・マゾフシャ(Dookoła Mazowsza)を皮切りに再開しました。

私も全てのレースを隅々までチェックしている訳ではないのですが、この記事を書いている8月8日までに開催されているUCIレースの中で気になるものは大体の展開をYouTube上の海外動画でチェックしています。

  • ブエルタ・ア・ブルゴス(Vuelta a Burgos)
  • ストラーデビアンケ(Strade Bianche)
  • ルート・ド・オクシタニ―(La Route d’Occitanie )
  • ツール・ド・ポローニュ(Tour de Pologne)
  • モンヴァントゥ・チャレンジ(Mont Ventoux Dénivelé Challenge)

これらを見た所感がいくつかありますが、

まず「若い選手がかなり目立ってるなぁ」と思いました。

エヴェネプール、ファンアールト、ベルナルといったビッグネームはもちろん、アスタナ所属のウラソフまで台頭してきました。

上記の名前は2019シーズン(前)から「未来のエース」ということで名前が挙がっていた選手達であり、遂に世代交代の時期が本格的に来たのかと思います。

が、

今年に関してはコロナの影響で選手たちの調整が不十分であるという背景があり、ベテラン選手というのは経験に基づいたコンディション調整で戦うという面がありますから、若いフィジカルが有利な背景で完全にこれらの選手が世代交代を果たしたのかというのは疑問です。

そして、私がもう一つ思ったのはまさにそういう問題であり、

「今年のグランツール、特にツールは荒れるぞ」と確信しました。

確定的なことは前哨戦のドーフィネとツールのスタートリストを見ないことには何とも言えないのですが(ドーフィネはキチンと見ます)、

コンディション調整の明暗が既に分かれていないか?と思っています。

恐らくですが、私達が考えるよりも調整時間が不足しているのだと予想します。

ツールの予想はまた別記事で行いますが、そうなると俄然有利なのはやはり前年度優勝・クライマー・若いということでベルナル一択ということになります。

(↓この動画の出所が怪しいのは勘弁してください)

ベルナルが勝利したルート・ド・オクシタニ―第3ステージ

(↑2分40秒当たりのアタックは素直にドン引きしました)

ただ、ベルナル自身が良くても彼を囲むアシスト選手、これがどうなるのかということを私は懸念しています。

フルームに関したエース問題とそれに伴い、忠実かつ最後まで残れるアシストを何枚用意することが出来るのか。

アシストの枚数が揃わなければ、いくらベルナルといえども厳しい戦いを強いられるでしょう。

また、グランツールはそもそも予測不能なものであり、体調の急変やバッドデイの可能性は必ずあると言われています。

1週間のレースと異なるグランツールで日々のコンディションをただただ「若い」ということだけで保つことが出来るのか。

(↑これに関してはベルナルはコロンビア人ということもあって大丈夫だと思いますが)

ともかく、コンディション調整が全員不十分なのだということは、ここまでのレースで思ったことです。

コンディション調整だけでの見通し

ではコンディション調整だけを見た場合、どのチーム・誰が良さげなのかという見通し・予想をとりあえずドーフィネ前に暫定的に書いておきます。

実はコロナでレースが中断されるまでは、ナイロ・キンタナがかなり順調に調子を合わせて来ているなと思っていました。

フランスチームかつ周りの環境もモビスター時代終盤に比べるとやりやすそうになったことからも相当いい線に行くのではないか、キンタナの復活を見れるのではないかと思っていました。

ただレース中断後に関しては、レースによる調整が出来ないことと練習中に車に当てられたということで、コンディションはそこまで上がってないだろうなぁと考えています。

これはドーフィネで気になる点でもあります。

ちなみにドーフィネの総合優勝者の予想としましては、色々総合してやはりベルナルが勝つのではないかと思います。

ドーフィネはあくまでも前哨戦で、そこで勝利したからといってツールで勝てる訳でもないですが、やはり今強いのはベルナルでしょう。

(実は恐ろしいことに、去年のツールは積雪の影響で終盤の山岳がカットされたので私達はベルナルの真価をまだ見ていないのです。潜在力も含めてベルナルの底は知れません)

コンディション調整が良さげなチーム・選手

レース再開後に関しては、まずブルゴスで2位になったミケル・ランダの走りを見て安心しました。

総合順位に関してはエヴェネプールに負けてしまったものの、山での安定した強さが出場選手の中でも際立っていたように思います。

ミケル・ランダが最終日に果敢にアタック

結局ブルゴスを通してエヴェネプールに力で差をつけることが出来たのは最終日のランダだけだった気がします。(ソーサは展開的に足が温存出来ていたのと、3日目に既に総合では脱落していました)

また、ティボー・ピノもここまでにステージ優勝と表彰台は逃しているものの調整が上手くいっていると思いました。

加えて、チーム全体としてもグルパマFDJは調整が順調である気がしています。

先ほど述べたランダに関しては、ランダ自身は強いものの、彼を守るアシストをレース終盤に十分な枚数用意できるのかということを懸念しています。

そういう点ではダブルエースでツールに挑む予定のリッチー・ポートとバウケ・モレマを擁するTrekは両エースが順調に調整出来ているように見えるので、終盤局面に片方が囮になるダブルエース作戦が展開によっては使えそうです。

一方で、AG2Rもロマン・バルデとピエール・ラトゥールのダブルエース体制ですが、どうにも両エースのコンディションが読めません。

ツール2019のバルデのように、いざレースが始まってみるとイマイチ山岳で調子を落としてそうな予感がしています。

ツール2020のAG2Rには注目しているので、その予感が外れることを願っていますが。

少し不安に思えるチーム・選手

まず、モビスターは大丈夫なのかと思いました。

ただでさえ感覚的に物事を進めるチームであることに加え、この短い調整期間でエースであるバルベルデ(大ベテラン)・マス(若い)・ソレル(若い)の年齢層が極端な3人は調整が間に合っているのだろうかと不安です。

バルベルデはもう少し調整期間が必要そうな気がしますし、マス・ソレルは若い故に感覚重視の短期間での調整が上手くいくのかと懸念しています。

また、アスタナのミゲルアンヘルロペスが今年はツールに出る(予定)ということで私は非常に楽しみにしている訳なんですが、どうもイマイチ調子が上がっていないように思えるのは気のせいでしょうか?

この時期のレースには成績を求めず調整に当てているのかもしれませんし、パンクとかがあったのかは私が観た動画では分からないのですが……これも心配です。

そして、一番気になるのはクリス・フルーム。

ツール2019直前のケガで随分長い間レースを離れていて、今年のUAEツアーで本格的に実戦復帰をしたタイミングでレースがコロナで中断ということで、間違いなく調整が遅れているはずです。

実際、ここまでのレースだけでも後ろに下がりがちです。本調子にはまだまだ遠いでしょう。

イスラエル・スタートアップネイションへの移籍も決まり、ただでさえG・トーマスとベルナルというマイヨジョーヌ獲得者が同一チームいる状況でエース問題というのはかなりややこしくなっています。

恐らくこの3人はツールに出るのでしょうけれども、フルームの調子次第では他チームにつけ入る隙を与えてしまいそうです。

(ただ、あの「Ineos」ですから合理的判断でフルームをそもそもエースに据えない・出さない可能性がある)

もしかしたら、フルームがアシスト専念なんていう使われ方も今年のツールはあり得るのかなと思います。ただ、そんなことは本人の気持ち的にもあり得るのでしょうか……。

契約最終年のエースというのはリスクを孕みがちだなとひしひしと思う次第です。

では、さよなら。

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