文系新卒で人売りIT企業(SES)に就活した理由と体験談・現実

IT土方(いらすとや)

就活の時期ですね。桜を見ると嫌な思い出も蘇るものです。

私の苦しい思い出が蘇っている内に新卒で人売りIT企業(SES)に就活・就職した体験談を一気に記しておこうと思います。

まずは本記事で「就活」自体にスポットを当てて、私が人売りIT企業(SES)に就活した理由と体験談を書きます。

そして別記事では「就職」を中心に、就職・退職するまでの1年8か月間で得た経験と知識を書く予定です。

私が新卒で人売りIT企業(SES)に就活した理由

シューカツロゴ

私の個人的な事情・状況は「シューカツ!」シリーズとして以前に記事に書きましたので、興味のある方は読んでいただきたいです。

しかし、そのような個人的な事情はさておき、「新卒」という一定のステータスを持った人間が何故、「人売りIT企業(SES)」に就活したのかということを知って欲しいのです。

就活市場ではまだまだネガティブなイメージがつきまといがちな「人売りIT(SES)」を、何故将来に希望のある大卒の若者が目指したのかという話です。

私がIT業界及び人売りIT企業(SES)を目指した時の思考をそのまま以下に書いてみます。

「就活か……行きたかった有名企業はダメだったし、それ以外は別にどこも一緒だ。業界業種で絞って、あとは条件で選ぶか」

→「飲食や小売、金融はブラックって聞くし、現場に駆り出されそうだし嫌だな。それにアルバイトの延長みたいな接客業をしても、スキルはつかないし」
→「営業職や総合職はコミュニケーションが苦手だし、陽キャ多そうだし嫌だな」

→「……何か黙々と一人で出来そうな仕事はないかな」

「そうだ!IT業界いいんじゃない?陰キャはやっぱりパソコンでしょ!何故か文系でもOKって感じらしいし、未経験でもOKらしいし」

→「技術が身に着くから辞めても損はないし、AIやクラウドとか言って業界の未来もありそう。それに勉強は嫌いじゃないから、もしかしたらプログラミングの才能が開花するかもしれない!いいじゃん!ITにしよう!」

→「何だこれ?企業が多くて訳分からない。SIer?web系?調べても用語が良く分からない。しかも、どの企業見ても結局同じようなことやってそうだし……。でも、逆に言えばどこに入ってもやることは変わらないってことじゃないのか?」

→「とりあえず、受かりそうな企業の中で条件が良さげなところをいくつか受けるか。エントリー、ポチッw」

→「説明会も行ったけど、どこも違いが良く分からないし、業界も思ったよりもブラックじゃない感じらしいし、何より内定が欲しいからこのままいくか」

→「なんか内定出たわ。他はからっきしダメだから、ここに就職しとくか。技術職だから自分のやる気さえあればスキルアップも余裕やろw」

→「(入社後)ん?何か想像していたのと違うぞ?」

以上のような思考で、私はIT業界を志望し、知らずして人売りIT企業(SES)に就活することになりました。

そして、このような思考をして、IT業界及びSESを目指して就活している就活生は結構いるのではないでしょうか。

なぁ、そうだろ?

これは、端的にIT業界や人売りIT企業(SES)というものを理解していないから生じる現象です。

実はIT業界ほどコミュニケーション能力が必要な業界はないというか、結局社会に身を投じる以上は何らかの形でコミュニケーション能力は要求されるのです。

また、スキルを上げたくても上げるどころか悪戯にキャリアを消費してしまう状況もあったりします。

ですので、本当にIT業界を理解した上でもう一度同じように新卒就活するかといえば、拒む人は結構多いのではないかと思います。

しかし同時に、これはどの業界についても言えることですが、その業界に身をおいてみないと「理解」なんてものは出来ないのだとも考えます。

IT業界や人売りIT企業(SES)の実態は新卒では分からない

日本のIT業界というのはとても歪な構造になっています。

しかし、これは以下に挙げる理由で新卒の就活生が理解することはほとんどないと考えています。

①互いに良い部分しか言わない「就活」において企業の人間から業界に関するネガティブな話を聞くことがない。

②就活生の段階ではIT関連の知識が乏しく、ネット上の情報を十分に理解することが出来ない。

③実感が伴わない。

IT業界は嘘が多い

①について、これは「就活」というイベントが嘘つき大会である以上はどの業界にも言えることなのですが、IT業界については特に嘘がつかれていることが多いです。

そもそも「偽装請負」といって、契約内容を偽るようなことが珍しくない業界なのですから当然といえば当然です。

例えば、私が説明会に行った会社の先々で次のようなことを言われました。

「取引先はN○C、N○Cナントカ、富○通、富○通ナントカ、日本I○M、S○y……などがあります」と。

就活生ならば一度は名前を聞いたことがあるような有名企業ばかりが並びます。

当時の私も「こんなに大企業と取引してるなら優良企業じゃないの?」と思ってしまったのですが、違います。

これは、これらの企業に「客先派遣している」ということなのです。

要は「お前たちはこれらの企業でパシリの奴隷として働いてくるんだぞ」ということなのですが、「就活」用に綺麗な言い方をするとこうなるのです。

また、説明会では会社の先輩の話を聞くなんていう時間が設けられていたりすると思います。

けれども私が就職した会社なんて、SES事業で売り上げのほとんどを稼ぎ出しているのにも関わらず、ずっと内勤で客先に派遣されたことが無い先輩の話を聞かせていましたからね(笑)

そりゃ、良い話しか聞かない訳ですよ。

そのようなことは入社してからも平気で目の当たりにします。

例えば、「若くて優秀な人材がいますよ」と営業が声を掛けて、経験も知識もほとんどない新人が「使える即戦力の人材」として現場に放り込まれるなんてことは当然のようにあります。

ネット上の情報では現実が分からない

また②について、IT関連の知識が乏しく、ネット上の情報を見てもイマイチ業務内容や実態が見えてこないことがあります。

例えば、先程述べた「偽装請負」などもそうですが、IT業界及びそれと繋がりの深い人売りIT企業(SES)を理解するためには「請負契約・派遣契約」といった法律に関する知識も必要です。

そして、これは新卒として入社した直後の研修等でほぼ間違いなく勉強することでもありますが、就活の時点で「何故そのような知識が必要なのか」ということまで理解している人は少ないと思います。

こういうのも、歪な日本のIT業界では必須の知識なのです。

それに、IT業界というのは横でやっていることが分からないということが多々ある業界でもあります。

プログラミング言語一つをとっても、C++が分かるけれども、JavaScriptやjqueryが分からないだとか、こういうことがあります。

web系?インフラ系?AWS?Oracle?Python?オブジェクト指向?こんな用語をネットで少し調べただけで実際の作業やその難しさが身をもって分かる訳がありません。

少しでも本格的に触れてみるとボヤッと棲み分けや難しさが分かるのですが、既に就活の段階ともなるとそのような余裕は就活生にないでしょう。

そのような状態で、自身の進みたい方向が新卒の大学生に見えてくる訳がありません。せいぜい「PG目指しています」とか、「ネットワークインフラ勉強したいです」とか言うのが精一杯でしょう。

私も企業ごとに志望理由が変わるような、曖昧な理由を引っ提げて就活を行っていました。

実感が伴っていないから夢見れる(見える現実)

IT土方(いらすとや)

最後に③について、「実感が伴わない」、これが一番のネックだと思います。

上に述べたようなことというのはネット上にもそれなりに情報があって、就活に真剣に向き合っている人間ならばボヤッと頭で理解できてしまうこともあると思います。

その上で、良い人売りIT企業を見極めて、色んな現場でスキルアップのための経験を下積みして、IT業界で生き残ってやるという気概が残っている人もいるかもしれません。

しかし、それは現実を実感していないからなのです。

大企業に派遣されて同じような仕事をしているのにも関わらず、自分の何倍もの額のボーナスの話をしている同い年の人間を目の当たりにしたことがありますか?

客先の実質的な現場の上司が、それまた他企業から派遣されてきた人間で、部署には仕事が分かる正社員が実質的にいない悲しみが分かりますか?

現場に到着すると自社の営業から他社の営業に引き渡されて、知らない自分の名刺を渡されて仕事をする違和感が分かりますか?

学歴(笑)が自分よりも低い同期が、遙かに上手くプログラミングを習得していく焦燥感は感じたことがありますか?

こういう日本のIT業界の歪さを身をもって実感していないことが、新卒でIT業界に就活する上での一番のネックなのだと思います。

実際、私も、就活・入社当時はそのように燃えていましたからね(笑)

新卒で人売りIT企業(SES)に就活した体験談

私は以下の基準で就活する企業を決めました。

①メーカー系でないこと

②C言語を使用する部署があること(制御・組み込み系)

もっとも、この基準はいくつか企業の説明会に出向いたり、面接を行ったりする上で決められていった基準であって、最初は本当に何も分からず適当にエントリーをして説明会や面接に行っていました。

ですので、最初と最後ではエントリーシートに書いたことは全く違いますが、それでもエントリーシートの時点で落ちた会社は6~7社ぐらい出して1社ぐらいでしたので、エントリーシートの書き方について言う事は何もないです。

ちなみに、自主的に辞退した企業を除いて、一次面接を突破したのは4社中1社ぐらいだった気がします。面接では結構普通に落とされました。

まあ、これも毎回話すことが変わってましたし、フワフワしている内に内定が出てしまったので、面接に関しても言えることは無いです。

墓場のような企業

①の「メーカー系企業」というのは「N○Cナントカ」とか、「富○通ナントカ」とか、「日○ナントカ」とかいう企業のことを指します。

私がこれを避けるようになったのは、一番最初に説明会・面接に行った「富○通ナントカ」という企業が墓場のように思えたからでした。

説明会を受けに企業に行くと、何故かフロア全体が薄暗く、目の死んだ気だるげなオッサンがふらりと現れて、適当に企業説明を始めました。

そして、挙句の果てに続けて行った1次面接では

「ここは新卒で受けにくるような企業じゃないよ」

みたいなことを言い出すので、こちらとしては「ええっ?」という感覚なのでした。

思えば私が受けた「富○通ナントカ」というのは、「富○通ナントカ」の中でもおそらく相当下の方の位置づけ?というか、「富○通」の子会社ですらなく、協力会社か何かだった気がします。

しかし、当時の私はそんなことすらも知らなかったので、「メーカー系は墓場」なのだと思って避けるようになったのです。

ただ、これは結果として良かった気がします。

これを機に、私は「メーカー系・ユーザー系・独立系」の違いを調べて、優良な「独立系」を探そうと決めたからです。

C言語を用いる部署がある企業

私がC言語を用いる部署がある企業を選んだのは、私がC言語を勉強したいと思っていたからでした。

というのも、C言語という歴史があって根幹的な言語を勉強すれば、何にでも対応できると考えていたからです。

そして、この考えは少しは当たっていました。

しかし、それ以上にC言語系を用いる部署がある企業に入って良かったのは、言語の性質上、職人気質の人が多かったのでやりやすかったということがあります。

それに、他の企業がどうなのかは分からないのですが、「ハード」が後ろにあることが多いC言語は、現物があるという点でプログラミングに触れることが出来る可能性が高いのではないのではないかと思いました。

まあ、これらも入社してしばらくしてから気付いたことなのですが。

結果として、私が就活して就職した企業は「当たり」の人売りIT企業で、私もそれなりの経験を積むことが出来たという訳です。

ということで、私の場合は何も考えていなかったけれども、たまたま就活が上手くいってしまったパターンという事で就活の理由と体験談をササッと書いておきました。

最後に、ここまで人売りIT企業(SES)を悪いように述べてきましたが、一つ就活でのメリットを上げるとすれば「内定が出やすい」ことです。

なんせ、この私でも出たんですからね(笑)

SESで内定を早めに1社貰っておいて、自信をつけたり最後の保険にするというパターンは就活生あるあるだと思います。

いずれにせよ、キチンと自分の考えを持って就活すれば新卒で人売りIT企業に就活してもいいのではないでしょうか。

では、さよなら。

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